「豆腐メンタル」とは、精神的に弱く、ちょっとしたことですぐに落ち込んだり、心が折れてしまったりする人のことです。
そんな豆腐メンタルの部下を持つ上司は、どう接したらよいか悩むのではないでしょうか。
本記事では、豆腐メンタル部下の特徴や接し方、叱る時の注意点、落ち込んでいる時にかけるべき言葉などについて解説します。
豆腐メンタル部下を持つ上司は、ぜひ参考にしてみてください。
豆腐メンタル部下の特徴
豆腐メンタル部下の特徴は、大きく分けて以下の4つが挙げられます。
自己肯定感が低い
豆腐メンタル部下は、自分に自信がなく、自分の能力や価値を過小評価する傾向があります。
そのため、失敗をすると「自分はダメな人間だ」と考え、立ち直るのに時間がかかります。
また、周囲からの評価に過敏になり、些細な言葉や態度にも傷つきやすいです。
失敗を長期間引きずる
豆腐メンタル部下は、失敗をすぐに忘れることができません。
そのため、仕事で失敗をすると、その失敗を何度も思い出して落ち込み続けます。
また、失敗をきっかけに自信を失い、仕事に意欲的になれなくなることもあります。
繊細で敏感な性格をしている
豆腐メンタル部下は、他人の気持ちに敏感で、他人の意見や態度に左右されやすい傾向があります。
そのため、上司や先輩からのちょっとした言葉や態度にも傷つきやすく、人間関係で悩むことも多いです。
プレッシャーに弱い
豆腐メンタル部下は、プレッシャーに弱く、ストレスを溜め込みやすい傾向があります。
そのため、仕事で難しいプロジェクトを任されたり、評価される機会が増えたりすると、プレッシャーに押しつぶされてしまい、仕事に集中できなくなることがあります。
豆腐メンタル部下に信頼される接し方
良いところを褒めて自信を持たせる
豆腐メンタル部下は、自分に自信がなく、自分を否定する傾向があります。
そのため、部下の良いところを褒めて、自信を持たせることが大切です。
具体的には、仕事で成果を出したときは、しっかりと褒めましょう。
また、普段の行動や言動でも、部下の良いところを見つけて、さりげなく褒めてあげましょう。
部下の良いところを褒めることで、部下は自分の価値を認めてもらえたと感じるようになります。
すると徐々に自己肯定感が高まり、仕事にも積極的に取り組むようになるでしょう。
失敗を責めない
豆腐メンタル部下は、失敗をするとすぐに落ち込んでしまいます。
そのため、失敗を責めてしまうと、部下はますます自信を失ってしまいます。
部下の失敗を責めるのではなく、次に活かすように指導しましょう。
具体的には、失敗の原因を一緒に分析し、今後の改善策を考えましょう。
また、失敗しても大丈夫だと、部下を安心させてあげることも大切です。
部下の失敗を責めずに指導することで、部下は失敗を恐れずにチャレンジできるようになり、成長につながります。
豆腐メンタルの部下にしてはいけない接し方
高圧的な態度で接する
豆腐メンタルは、基本的に気弱な性格です。
高圧的な態度で接されると、萎縮してしまい、心を閉ざしてしまいます。
また、萎縮して仕事のパフォーマンスにも悪影響を及ぼす可能性もあります。
部下だからといって、高圧的な態度で接するのではなく、なるべく優しく穏やかに接するようにしましょう。
期待を押し付ける
豆腐メンタルはプレッシャーに弱い生き物です。
そのため、期待を押し付けてしまうと、プレッシャーを感じて、思うようなパフォーマンスを発揮できないかもしれません。
豆腐メンタルの部下には、なるべく期待を押し付けないようにしましょう。
期待しているとしても、その気持ちは自分の胸の内に秘めておくのが善です。
実際に部下が仕事で成果を出したときに、たくさん褒めてあげてください。
叱責や批判を厳しくする
豆腐メンタル部下は、その名の通りメンタルが弱いです。
そのため、叱責や批判を厳しくすると、自信を喪失してしまいます。
叱責や批判をするときは、部下の気持ちを理解し、次に活かすための指導をするようにしましょう。
また、失敗しても、部下を否定せず、励ましてあげましょう。
無理やり仲良くなろうとする
豆腐メンタル部下は、繊細で敏感な性格であるため、他人との距離感をつかむのが苦手です。
そのため、無理に仲良くなろうとすると、逆に距離を置かれてしまい、信頼関係を築きにくくなってしまいます。
豆腐メンタル部下との接し方では、まずは部下から距離を縮めてもらうことが大切です。
そのためには、部下が心を開いてくれるまで、まずは自分から距離を置きましょう。
具体的には、以下のことに注意しましょう。
注意点
- 無理に飲みに誘う
- 部下のプライベートに踏み込む
- いきなり下の名前で呼ぶ
- ボディタッチ
部下が心を開いてきたら、徐々に距離を縮めていき、仲良くなるようにしましょう。
落ち込んでいる豆腐メンタル部下にかけるべき言葉
落ち込んでいる豆腐メンタル部下にかける言葉は、大きく分けて以下の2つに分けられます。
共感の言葉
まず、部下の感情に共感することが大切です。
部下がどんな気持ちでいるのか、言葉にしていない気持ちを、精一杯想像してみることが必要です。
たとえば、部下が仕事で失敗してしまった場合、以下のような言葉をかけるといいでしょう。
- 「それは焦ったでしょう」
- 「ずいぶん悩んだんだね」
- 「それは悔しかったね」
これらの言葉は、部下の感情をそのまま言葉にしたものです。
部下は、上司が自分の気持ちを理解してくれていることを知って、安心するでしょう。
励ましの言葉
共感の言葉をかけた後は、励ましの言葉をかけましょう。
部下が落ち込んでいる原因を解決するために、具体的なアドバイスをすることも大切です。
たとえば、部下が仕事で失敗してしまった場合、以下のような言葉をかけるといいでしょう。
- 「失敗は誰にでもあるから、気にしなくていいよ」
- 「失敗から学んで、次に活かせばいいんだよ」
- 「一緒に考えながら、解決策を考えよう」
これらの言葉は、部下が立ち直るきっかけになるでしょう。
また、部下の性格や状況に合わせて、言葉を選ぶことも大切です。
たとえば、普段から冗談を言ったり、明るい性格だったりする部下であれば、ユーモアを交えた言葉をかけると、笑顔になってくれるかもしれません。
落ち込んでいる部下にかける言葉は、上司の人間性や温かさが伝わる言葉であることが大切です。
部下が安心して、自分の気持ちを話せるように、言葉を選びましょう。
豆腐メンタル部下を叱る時の注意点
時には豆腐メンタル部下を叱らなければいけないタイミングもあるでしょう。
しかし、豆腐メンタルはその名の通りメンタルが豆腐なので、ちょっと叱っただけで、ひどく落ち込んでしまうかもしれません。
そうならないためにも、豆腐メンタル部下を叱る際には注意が必要です。
具体的な注意点は以下の4つです。
①叱るタイミングを間違えない
豆腐メンタルの部下を叱る際には、タイミングが重要です。
仕事のミスをした直後や、精神的に不安定な時に叱ると、余計に傷ついて逆効果になる可能性があります。
叱るタイミングとしては、ミスをした後、落ち着いてから、部下が気持ちよく受け入れられる時間帯を選ぶようにしましょう。
②叱る内容を明確にする
叱る際には、何を叱っているのか、明確に伝えることが大切です。
曖昧な表現や、感情的な言葉遣いでは、部下が何を叱られているのか理解できず混乱してしまいます。
叱る内容は、具体的な事実に基づいて簡潔に伝えるようにしましょう。
ダラダラと嫌味ったらしく叱るのはNGです。
③叱る目的を明確にする
叱る目的は、部下を成長させることです。
そのため、叱る際には単にミスを指摘するのではなく、なぜミスをしたのか、今後どうすればミスを減らせるのか、具体的にアドバイスするようにしましょう。
叱る目的を明確にして、部下が成長できるように導くことが大切です。
④部下の気持ちを尊重する
豆腐メンタルの部下は、叱られたことで、自信を失ったり、やる気をなくしたりする可能性があります。
そのため、叱る際には、部下の気持ちを尊重し、励ます言葉をかけるようにしましょう。
「あなたならできる」「ミスをしたことで成長できる」など、部下を信じる言葉をかけることで、部下のモチベーションを維持することができます。
豆腐メンタル部下を叱る際の具体的な例
以下に、豆腐メンタル部下を叱る際の具体的な例を挙げます。
例1:ミスをした部下を叱る場合
部下:すみません、ミスをしてしまいました。
上司:ミスをしてしまったのは、仕方ない。でも、どうしてミスをしたのか、教えてくれるかな?
部下:うーん、よくわかりません。
上司:具体的に、どのようなミスをしてしまったのか、教えてくれる?
部下:注文書の金額を間違えてしまいました。
上司:そうだったんだ。金額を間違えるのは重要なミスだから気をつけようね。今後ミスをしないために、どうすればいいと思う?
部下:もう1度、注文書の金額のチェックを徹底したいと思います。
上司:うん、そうだね。また、分からないことがあれば、すぐに聞きに来るようにね。
部下:はい、ありがとうございます。
例2:遅刻した部下を叱る場合
部下:すみません、遅刻してしまいました。
上司:遅刻はよくないね。
部下:はい、本当に申し訳ありません。
上司:遅刻した理由は?
部下:朝、起きるのが遅れてしまいました。
上司:そうだったんだ。遅刻すると他の人にも迷惑がかかっちゃうから、気をつけようね。
部下:はい、以後気をつけます。
上司:遅刻はダメだけど、また、もし遅刻しそうになったら、事前に連絡するようにしてね。
部下:はい、わかりました。
おわりに
豆腐メンタル部下は、ちょっとしたことですぐに落ち込んだり、心が折れてしまったりします。
そのため、上司は、部下の気持ちを理解し、信頼される接し方をすることが大切です。
また、叱る時は、部下の心情に配慮した叱り方を心がけましょう。
豆腐メンタル部下との接し方は、一朝一夕で成果が出るものではありません。
しかし、上記のコツを押さえて、継続的に接していけば、必ず部下の成長につながります。